スーパーのオバハンが都のカスハラ防止条例案報道で思ったこと

 

あるニュースサイトで東京都がカスハラ(カスタマーハラスメント)防止条例制定を目指しているという報道を見た。どのような条例案か詳しくは知らないが、罰則規定を設けないのなら中途半端な条例になっちゃうんじゃないかな、と思う。まぁワタシはお隣神奈川県民なのでよそ様の出来事だけど。

 

「これ犯罪でしょ」って言えるようなものに関してはとっとと警察沙汰にすればいいのだけど、問題は、明らかな暴力や暴言よりも、理不尽な言いがかりや身勝手な振舞いと言ったプチモンスターの方が圧倒的に多いことだ。それらをどこまでハラスメントとして処理できるのだろう?と疑問に思う。今はSNS等で口コミがあっという間に広がるということが余計に問題をややこしくしているし。

 

例えばレジで接客してたら執拗に理不尽な要求をされたとする。当然パート労働者としては勝手に判断できないから社員なり上長にエスカレする。けれど社員や上長がお客寄りの判断をしたならば、現場は耐えるしかない。店側が従業員を100%守ってくれるという保証はどこにもないのだ。

 

ワタシが何年も「スーパーのオバハン辞めたい」って言ってるのはまさにそれが理由で、お客の側は店を選べるけれど、ワタシ達スーパー店員はお客を選べないのだ。嫌味を言われたり理不尽な要求に耐えても最低賃金しかもらえないんだから、辞めていく人も多く人手不足なのも当然だ。人手不足ゆえ1人当たりの作業負担も大きい。(何故辞めずに留まってるのかと言うと、「どこへ行っても一緒でしょ」としか思えないからで、なかなか「ここでなら働けそう、こういう仕事なら大丈夫そう」と思える職場が見つからないという諦観なのだ)

 

さて先日も、年配の女性客が身勝手な要求をしてきた。その対応だけで15分も掛かってしまった。売り場担当者も社員も上長も、それぞれ別件対応中の中、レジにはワタシ1人という地獄の様相。結局執拗なごり押しに屈してしまうという情けない結末で疲労困憊。ただその年配女性客、ウチの店では悪名高い常連客だったので周囲が「あーあの人なら仕方ないね」というライトな反応だったのが救い。

 

東京都のこのカスハラ防止条例案、どうなっていくか注目だ。

でも、カスハラするような人間が罰則規定のない条例ごときで己の行動を慎むということはしないだろうから、抑止にはならないんじゃないかなというのが正直な感想だ。。