レーズン克服記

今週のお題「苦手だったもの」

 

給食献立表をチェックして「レースンパン」の文字を見ると泣きそうになり、当日お盆の上にレーズンパンが当番によって置かれると「あぁ・・・」となる。

 

「誰かパンもらってー」と言って「俺にクレー」と言わるのも最初のうちだけ。そのうち男子に「何オマエレーズンも食えないの?ダセー」とか、先生や他の女子に「いもようかんちゃん、給食は好き嫌いせず残さず食べないとだめでしょ!」と言われるようになる。

 

それでもパンからレーズンをほじくり出してパンだけ食べる程の、レーズン嫌い。

「ブドウはそのまま食べて美味しいのに、何故中途半端に干からびさせるんだよ」と思っていた。同様にドライフルーツの類にそのような感想を持っていたが、当時ドライフルーツの類は豊富じゃなかったような気がする。ウチの親があんまり出さなかったからかもしれないが。

 

やがて大人になり、いただきものをする機会も増える。

レーズンが入った高級菓子をいただいても相変わらず横流し

それが変わったのは30代も後半になってから。

 

パート勤務していた自然食品の店で、希少なグリーンレーズンを販売することになった。社長が気に入って仕入れてきたものだ。

「いもようかんさん、今までのとは全然違うから!食べてみ!」

と社長に言われたら、従うより他ないではないか。お客さんに対しても説得力が出るし、仕方ないな、とおそるおそる一粒口に入れた。

 

なにこれ・・・好き・・・!

 

マスカット系のさわやかな甘みがギュッと凝縮されたグリーンレーズンの虜になった。

早速1袋買って帰り、しばらくグリーンレーズンを楽しんでいたなぁ。

多分この時が、レーズン(とドライフルーツ)嫌いを克服した瞬間。

普通のレーズンも「案外イケる」となった。そのうちその店でドライフルーツやナッツの仕入れ担当になったりもしたから、人生とは面白いものだ。

 

今は好んでレーズン入りパンを買うし、六花亭のマルセイバターサンドをいただいたら喜んでいただけるようになった。

 

本日のコーヒーのおともは、子供のころ蛇蝎のごとく嫌っていた東鳩の「オールレーズン」である。なんておいしいんだろう。。

(ちなみに東鳩のオール〇〇シリーズは全部食べたな・・・)