大塚ひかりさんの本。
学生時代に古典が嫌いだった人にこそぜひ読んで欲しい!!!(力説)
(そういうワタシも古典苦手で嫌いだった)
教科書としては当たり障りのない部分をピックアップするしかないのだろうけど・・・古の人々の、人間臭い部分や闇の部分を切り取った方が興味や親近感が湧くってもんでしょう!!と言いたい。
この本は、古典文学に表れる昔の日本人の人間臭い部分や闇の部分をこれでもか!と紹介してくれている。
そして今も昔も人間のやることって変わらんな~、とつくづく感じる。
虐待や育児放棄、マタハラ、毒親、ストーカー、見た目重視社会、ブラック企業、介護地獄等々・・・(章タイトルそのまま)。
個人的に衝撃を受けたのは、見直されている現在もなかなか「お犬様のための法令」のイメージが抜けない「生類憐みの令」。実は「捨て子捨て牛馬」の禁止の方が早く厳しく全国への徹底が図られ、後に「病牛馬」「病人」を捨てることの禁令も出たというのだ(第7章「昔もあった介護地獄」のP111から要約)。徳川綱吉はどんな気持ちでこの法令を作ったのだろうか。
・・・法令で禁止するほど捨て子、捨て病人が横行してたというのはなかなかにぞっとする話だ。脳卒中で倒れた僧侶を介護してた弟子たちが、介護疲れの果てに僧侶を見捨てる話があるぐらいだから(鎌倉時代の沙石集にでてくる話)、生類憐みの令が画期的な法令というのも頷ける。マタハラの章(第5章)に至っては、例に挙げるのも気が滅入るようなドン引きする話も多し・・・。
畳みかけるようなネガティブエピソードの挙句、巻末の引用文献対応の年表でトドメを刺される。読み進めるうち、今の時代はいくらかマシな気もしてくる不思議。
とは言え、結局人間の本質は利己的な俗物だから、巻末あとがきにあるように「トラブルは必ず起きる前提でものごとを考える」ぐらいの姿勢でいるほうがいいのは間違いないね。
