3年ほど前から世界史が気になってあれこれと本をつまみ食いみたいに読み散らかしている(ブログ記事に感想を書けるほど1冊を端から端まで読み通していない)。
この本はコンパクトに纏まってて面白く読了したのでちょっと読書記録をば。
歴史の本と言うと、過去に人間がやらかしてきたことを纏めたものが主流。
だけどそういう本ばっかり読んでるとお腹いっぱーいになる。基本世界史って大半が西洋史、コッテリしてて・・・ねぇ?(偏見)
この本は世界の歴史に重要な影響を及ぼした植物について書かれている本。
出てくる植物は皆さんおなじみの植物ばかり。それらがどんな風に人間世界に影響を伝播させていったのか。
読み進めるうちに、「植物の生存戦略に人間はまんまと踊らされているのかも・・・」と思ってしまう。いや、多分きっとそうなのだろう。15種の植物を、その特性とともにどんな経緯で人間世界に影響を及ぼしていったのかがエッセイ調でわかりやすくまとめられている。その15の植物は生活に欠かせないものだったり、身近なものばかりなんだけど、植物にまったく疎いワタシには「へぇ!そうなんだ!」と思うことが多く、とても楽しく読むことが出来た。
個人的に一番興味深くて面白かったのが、トウモロコシの章。
え?トウモロコシ・・・サラダやスープにしてたまに使うのと、夏場はよく食べるかなぁ・・・ぐらいの認識だったがとんでもない!世界中で知らないうちに間接的に一番利用している作物がトウモロコシ、って納得~。アルコールの原料として、そのアルコールが燃料に姿を変えて・・・という風に。そのトウモロコシが実は謎多き植物というのもまた面白い。様々な用途に使われている現代社会に欠かせない植物な割には、どこからきたのか起源がわかっていないのだそうだ。
日本人にお馴染みのイネとサクラについても章があり、日本の成り立ちにこの2つの植物は大きく影響しているということがよくわかる。やはりお米が日本人の主食になるべくしてなったのだな~と思ったし、農業を始める季節を知らせる花として重要視されたのがサクラだったというのもなるほどなぁ、と。サクラと言えばソメイヨシノだが、その歴史は意外と浅く、江戸時代中期に誕生したのだそう。
それにしても、お馴染みの植物絡みで人類はこれまで多くの戦いをしてきたのだなぁ・・・。