料理レシピ本から縁遠くなって早数年。
ワタシの料理を劇的にラクにしてくれた考え方「一汁一菜」のおかげである。
この本を読んで日々の食事づくりのプレッシャーが軽くなった人は多いだろう。
祝・文庫化!!
著者の土井善晴センセイが登場するテレビ番組「おかずのクッキング」のテキスト本を本日衝動買い。
もうね、何気なくパラパラと立ち読みし始めたらP58~P60に書かれている土井センセイのメッセージが心に沁みてしまって・・・。
幸せは暮らしの中にあると思います。
家は 備えるところ 整えるところ 養うところ 安らぐところです。(P58)
まあ、人間が人間になった時からいまだに続けている
人間の労働はお料理だけです。他にないでしょ。
どうぞお料理という行為を信じてください。(P60 追伸)
去年の夏頃にこんな記事を書いたんだけど、今も淡々と一汁一菜の食事作りをしていることに変わりはなく。ちゃんと自分の生活の中に定着していると感じている。
オシャレな盛り付けの映える料理や、珍しい外国の横文字料理などを作らなくても、たくさんの皿数がなくても、日々食べるものを自分でちゃんと作り出すことが出来ている、という自信につながったのは土井センセイのおかげである。
そんな土井センセイの長寿番組「おかずのクッキング」が3月を持って最終回を迎えるとのこと。そしてこのテキスト本も休刊に。だからなのか、土井センセイの一汁一菜に込めた想いが料理写真とともに散りばめられていて、普通の料理テキストとは明らかに違う趣。
すっかりレシピ本見て新しい料理を作ることもなくなってしまったけど、今回のこのテキスト本は買ってよかった。家庭で作りやすいおかずのレシピが様々掲載されているという点はもちろん、家庭で料理をする立場の人への温かい眼差しを感じて、こちらまでほっこりと優しい気持ちになった。
他にも沢山琴線に触れる部分があったのだけど紹介しきれないのでもう1つだけ。
一汁一菜って
ご飯、味噌汁、おかずは一つという
数合わせじゃなくて、
考え方の問題なのです。
(中略)
汁飯香という「調和」を守り
今ある材料と時間を考えて
ととのえること。
無理なく穏やかに
料理する家族が
ニコニコしているのが
一汁一菜の大原則。(P36)
ニコニコしてるかどうかはわからないけど、穏やかに淡々と台所に立つことが出来るようになってワタシは感謝しかない。そんな人が増えていくことがきっと土井センセイの目指すところなんだろうな・・・。