母性が足りなかった母親が子育て期間を振り返る

ムスメもハタチになり、一応子育てに一定の区切りがついた。

 

・・・と言うか、果たして自分が子育てをしたのかどうか微妙だ。

 

確かに産んだ。

 

しかしワタシは精神的に未熟だった。

とにかくゆとりの無い状態だったと思う。

 

ムスメは飛行機や電車に興味津々で、自分のやりたいことにまっしぐらに進む活発なタイプだった。女の子だから女の子っぽい遊びもするにはしたが、時間を忘れて目を輝かせたのは大好きな電車や飛行機など乗り物の本だったり、オットと虫取りに出かけたりといったことだった。

 

ワタシはそれとは正反対の大人しいタイプだったので、ムスメの行動がさっぱり理解できず、悩み、なかなか受け入れることも出来なかった。

 

怒ってばかりだった。感情的に延々と説教したり、手を上げてしまったこともあった。後悔しきりだ。ムスメにとってはそれらは単なる嫌な思い出で、全く彼女のプラスになっていない。結局、ワタシの「うちの子はこうであってほしい」というエゴをムスメに押し付けただけだからだ。

 

ムスメが中学2年の頃、家出をしたことがあった。

 

熱心にやっていた部活もサボり、テストの白紙提出、居残り勉強をすっぽかして遊んでたり、学校にもあまり行かなくなっていた時期の夏休みのある日曜日。

鬱憤が溜まっていたのだろう、ムスメ、ワタシの財布から5千円抜いて、新宿に遊びに行った。

財布からお金がなくなったことをオットに言うと、激怒。電話でオットとムスメは大喧嘩。その日ムスメは夜12時近くになっても帰宅せず、オットは単身赴任先に行ってしまった。携帯にもつながらず、心配のあまり警察に捜索願を出すと、程なくして縁もゆかりも無い世田谷某所の警察署から保護しているという電話があり、終電で迎えにいった。

警察署でポツンと座るムスメを見て無事でよかったとほっとした。また大地震が起きたらどうしよう(震災のあった年だったので)、変な男に声掛けられて怖い思いしているんじゃないかと、気が気ではなかったから。怒る気にも説教する気にもなれず、疲れ切って呆けたようにタクシーで帰宅した。明け方3時になっていた。

 

その時思ったのだ。

ただこの子が無事でいてくれればそれで十分じゃないかと。

 

自分の都合を押し付けて、子育てしてる気になってたなんて、恥ずかしいと。

ムスメにうるさくあれこれ言うことをやめた。完全にやめられたかどうかはわからないが、ムスメにはムスメの考えがあるということは自分に言い聞かせるようにしていた。それでもケンカになることも多々あり、スムーズに上手くいったわけではない。難しいものだ。

 

部活に復活し練習に励むムスメ

志望校合格に向けて退路を断って勉強に励むムスメ

友達関係で悩んだ時期も

中学の吹奏楽部の最後の演奏も

 

目標に向けて努力する姿を未熟な母に見せてくれて、ありがとう。

そして、大学入学おめでとう。独り暮らし、楽しんで!!